2026年2月5日投稿、投稿者:Rajan Thangaraj
プラスチック業界に携わったばかりの方、製品のグローバル展開を計画している方、あるいは自社の材料が認証を受けている規格の背景にある試験について詳しく知りたい方にとって、これは重要な問いです。これらの規格を理解することは、情報の裏づけに基づいた選択を行い、適合性を検証し、世界の安全・性能基準を満たす製品を構築する上で役立ちます。
UL 746は米国の第三者安全科学機関Underwriters Laboratories(UL)が策定した一連の規格を指します。これらの規格は電気・電子製品に使用されるプラスチック材料の安全性と性能を評価するための要件を定義しています。材料が厳格な安全基準を満たすことを保証するため、機械的特性、耐着火性、電気的特性、短期熱特性および長期老化といった側面を網羅しています。
UL規格はシリーズごとに分類されており、それぞれが特定の製品カテゴリやハザード(危険性)に焦点を当てています。UL 746はプラスチック関連規格シリーズの一部であり、メーカーが各地域でコンプライアンス要件を満たし、市場に受け入れられるよう支援します。
このシリーズは複数のパートに分かれており( UL746A、UL 746B、UL 746C、UL 746D、UL 746E、UL 746F、UL 746G、UL 746H、UL 746RおよびUL 746S)、それぞれが材料評価の特定の側面に焦点を当てています。
それでは、UL746シリーズとその主要な構成要素について詳しく見ていきましょう。
UL 746A – 短期特性評価
UL 746Aはプラスチックの短期的な性能試験を専門としています。ここでは、材料の強度、電気的特性、耐化学薬品性、および耐着火性に関して、材料がどのような耐久性を示すか、つまり、さまざまな条件下でいかに安全で信頼できるかを確認するためのルールを定めています。これらの試験は電気・電子製品に使用されるプラスチックが市場に投入される前に、確実に安全基準を満たすようにするためのものです。
UL 746B – 長期的特性評価
UL 746Bではプラスチックの長期的な性能を評価します。これは材料が時間の経過とともにどのように老化し分解するか、特に長時間熱にさらされた場合の挙動を理解することを目的としています。これらの試験は耐久性と安全性の予測に役立ち、メーカーは自社製品が長持ちし、信頼性を維持できることを確信できます。
UL 746C – 電気機器での使用
UL 746Cは電気機器の内部で使用されるプラスチックの試験を対象としています。ここでは、屋外への露出、紫外線、水など、実環境条件下でこれらの材料がどの程度耐えられるかを確認します。その一部には、F1(日光と水に対して良好な耐性)やF2(より要求の少ない条件)といった環境レーティングが含まれます。これらの評価は材料がどこで使用されても安全かつ耐久性を維持できるようにするのに役立ちます。
UL 746D – 高分子材料のトレーサビリティ
UL 746Dは製造工程全体を通じて高分子材料の完全なトレーサビリティを確認するための要件を定めています。この規格は初期の材料取り扱いや成形、加工から、完成した部品の出荷に至るまでのあらゆる段階をカバーしています。トレーサビリティに加え、成形業者がすでに試験および認証済みの材料を変更した場合に適用される評価基準についても概説しています。これにより、加工中のいかなる調整も安全性、動作性能、またはコンプライアンス義務を損なわないという確信が維持されます。
UL 746E – 工業用積層板およびプリント配線板
UL 746Eは工業用積層板、フィラメント巻チューブ、バルカナイズドファイバー、プリント配線板などに使用される材料の規格を定めています。この規格の重要なパートの一つは、保護コーティング(コンフォーマルコーティングと呼ばれる)が電気源からの着火にどの程度耐えるかを試験することです。要約すると、これらの材料が過酷な電気環境において安全かつ信頼性を維持できるようにするための規格です。
UL 746F – フレキシブル誘電体フィルム材料
UL 746Fはプリント配線板やフレキシブル回路接続に使用されるフレキシブル材料を対象としています。絶縁性を提供し導電性の確保に役立つポリイミドのような薄膜フィルムを想定してください。これらの材料はフレキシブル電子機器の鍵となるものであり、規格によって安全要件と性能要件を満たしていることが保証されます。
UL 746G – ペルおよびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)およびノンフッ素化材料
UL 746GはPFAS(ペルおよびポリフルオロアルキル化合物)を含まないプラスチックへの需要の高まりに対応することを目的としています。バージン材およびリサイクル材の双方が、フッ素およびPFAS含有量の厳格な制限値を満たしていることを確認するための、試験および検証に関する明確なガイドラインを定めています。
具体的な内容は以下の通りです:
- ノンフッ素材料:フッ素含有量が50 ppm以下であること。
- ノンPFAS材料:フッ素含有量が50 ppm以下、特定のPFASが25 ppb未満、かつ総PFASが250 ppb以下であること。
- PFAS由来ではない高いフッ素含有量を持つノンPFAS材料:過剰なフッ素がPFAS由来でない場合は許容されますが、依然として同じPFAS制限値を満たす必要があります。
存在するフッ素がPFAS由来ではないことを確認するために、完全な材料配合レビューが求められます。産業界がより安全なPFASフリー材料へと移行する中で、この規格はメーカーに適合への明確な道筋を示します。
UL 746H – ノンハロゲン高分子材料
UL 746Hは塩素および臭素を含まないノンハロゲンプラスチックの認証を目的としています。多くの産業がより安全で環境にやさしい材料へと移行しているため、これは重要です。
この規格では2つの評価スキームを使用しています:
- ノンハロゲン:フッ素、塩素、および臭素の含有量を確認します。
- 非塩素および非臭素:塩素および臭素のみに焦点を当てます。
UL 746Hに基づく認証により、設計者やバイヤーはULのデータベースを通じて適合プラスチックを容易に見つけることができ、材料が厳格な安全およびサステナビリティの要件を満たしているという確信を得られます。
UL 746R – 使用制限物質
UL 746Rはプラスチック中における使用制限物質の確認に重点を置いており、メーカーが欧州のRoHS(特定有害物質の使用制限)指令といったグローバルな環境・安全規制を遵守できるよう支援します。これはコンプライアンスとサステナビリティの観点から重要です。
ULのRoHSレーティングプログラムは初期試験にとどまりません。認証済みの材料が最新の要件を満たし続けるよう、継続的な検査と更新を行っています。材料が合格すると、UL Solutions Yellow Card™に掲載され、RoHS基準(2011/65/EUおよび2015/863)への適合が示されます。
UL 746S – サステナブルな高分子素材
UL 746Sはサステナビリティを主眼としています。これは、電気機器で使用されるバージン材と混合されたリサイクルプラスチックの試験に関する規則を定めています。2023年8月に発行されたこの規格は安全性や性能を損なうことなく、より環境にやさしいソリューションを推進する業界の動きを反映しています。
UL Solutionsは現在、コンポーネント認証プログラムを通じて、UL 746Sに基づきメカニカルリサイクルされたプラスチックコンパウンドの試験を行っています。これらの要件はUL 746Dを完全に置き換えるもので、今日の環境目標や規制に整合しています。この転換はメーカーがグローバルなコンプライアンス基準を満たしながら、より安全でサステナブルな製品を創出する一助となります。
材料レーティングが重要な理由
材料レーティングはプラスチックが試験を受け、特定の安全および性能基準を満たしていることを証明するものです。これらのレーティングは世界的に認められた試験方法に基づき、強度、耐久性、難燃性といった分野における材料の性能を示します。そのため、メーカー、設計者、バイヤーは、その材料が信頼でき、かつ適合しているという確信を得ることができます。
これらのレーティングを持つプラスチック材料は当社のUL Product iQ™およびULTRUS™ UL Prospector®データベースに掲載されます。これにより材料の検索と検証が容易になり、それらが世界的に認められた規格、試験方法、および認証要件を満たしているという安心感を得ることができます。
UL Solutionsでは、専門家が製品規格、認証プロセス、およびコンプライアンス上の課題への対応をサポートするサービスを提供しています。グローバルネットワークに支えられた強力な現地拠点での対応により、ターゲット市場において知識豊富で効率的なサービスを提供し、公共の安全保護とブランドの信頼性維持に努めるメーカーを支援します。
当社の材料およびプラスチックサービスの詳細については、UL.com/plasticsをご覧ください
または、UL746についての詳細、およびチームメンバーへのお問合せについては、UL.com/UL746をご覧ください
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カテゴリ:パーソナルケア&コスメティクス、プラスチック、塗料&コーティング、家庭用および工業用クリーナー、潤滑剤タグ:プラスチック、飲料、食品、パーソナルケア、塗料・コーティング、lmf、接着剤、プラスチック添加剤
Rajan Thangarajについて
Rajan Thangaraj、プロダクトマネージャー、エンジニアード・マテリアルズ
Rajanは2024年1月からUL Solutionsオランダでグローバルプロダクトマネージャーを務めています。この職務において、彼はプラスチックおよびエンジニアリング材料ポートフォリオ内での新たな取り組みの推進と事業成長を牽引するとともに、プラスチックと配線およびケーブル全般にわたるサステナビリティ戦略とプログラムを統括しています。
20年以上の業界経験を持つThangarajは、規制関連業務に関する深い専門知識を有しており、国際電気標準会議(IEC)、欧州標準化委員会(CEN)、UL Solutions、UL Standards & Engagementなどの欧州の機関や国際機関と広範に連携し、規制・標準化市場における材料の仕様策定と採用を支援する規範、規格、および規制の策定と提言を行ってきました。
彼はインドのマイソール大学で高分子技術の工学修士号を、インドのプラスチック工学・技術中央研究所(CIPET)でプラスチック工学のポストグラデュエート・ディプロマを取得しています。
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